「待ちやがれ、この、栞ぃ!」
 俺は手を思いっきり上げると、栞を追っかけて走り出した。
「きゃぁ!」
 栞は笑いながら走って逃げていく。


 本当は聞こえてた。

『この幸せが、逃げていって、無くならないといいな』

 そんな心配は要らない。

 この幸せがなくなるなんて不安は要らない。

 だって

 俺は

 栞の事が好きだから。

 どうしようもないくらい。

 この気持ちは

 変わらない。

 ずっと……

 相も変わらず陳腐だけど、この台詞は大事な時まで取っておこう。

『栞。俺は、君と一緒に歩いて行きたい。ずっと』













君と一緒に……

〜director's cut〜
















 ぱぁん
奏來:「かぁ〜〜っとぉ!! オッケイ!!」
北川:「おっしゃぁ!」
名雪:「おつかれ〜、がんばったね」
北川:「ありがとう、水瀬」
名雪:「栞ちゃん」
北川:「ぐはぁ」
相沢:「お前も頑張ったぞ。よくやった、北川」
北川:「おぉ、ありがとぅ……(しくしく)」
栞 :「潤さーん」
北川:「栞ちゃん、お疲れ。よかったよ」
栞 :「淳さんもかっこよかったですよ」
北川:「栞ちゃんも可愛かったよ……」
栞 :「潤さん……」
北川:「栞ちゃん……」

 ゴッ×2

奏來:「やめい」
北川&栞:「「いたーい」」
奏來:「てめぇら演技中もそれ以外でもいちゃつきやがって!」
北川:「ひがむなよ、監督」
栞 :「男のひがみはかっこ悪いですよ、監督さん」
相沢:「いや、お前らがいちゃつきすぎだ」
名雪:「祐一に一票」
香里:「名雪に一票」
奏來:「おお、栞&北川のアシスタントをしている残り物の美坂香里18歳さん」
相沢:「えらく説明的な口調だな……」
名雪:「くー(撮影による疲れが出てきた)」
香里:「残り物とはなによ!」
北川&栞:「でもねぇ……」
相沢:「北川は栞と付き合ってるし、俺は名雪と付き合ってるし……」
栞 :「これを残り物と言わず、何と言えばいいか……」
香里:「栞、今日の晩御飯は麻婆豆腐に決定」
栞 :「えうー」
相沢:「あれは嫌だよなぁ……」
北川:「紅しょうがだったっけ?」
相沢:「最近、福神漬けパターンが出てきた」
名雪:「次はわさび漬けだお〜」
相沢:「…………(げっそり)」
北川:「苦労してるな……」
栞 :「なんていつも言うと思ったら大間違いですよ!」
香里:「何!」
奏來:「意外と乗りがいいんだな、美坂は」
北川&相沢:「確かに……」
栞 :「今回のドラマで思いついたんです!」
香里:「何を!?」
栞 :「お姉ちゃんがそうやって晩御飯を辛いものにする時は……」
香里:「時は……?」
栞 :「北川さんの家に行きます!」
北川:「オイオイ」
相沢:「はぁ……」
名雪:「うにゅ、くー」
香里:「駄目に決まってるでしょ。家の親が許さないでしょ」
栞 :「ふふふ、すでに了承済みです!」
香里:「な……」
栞 :「すでに親には北川さんを紹介しました!!」
相沢:「そうなのか?」
北川:「この前にな。しかし、その為とは……」
栞 :「向こうの親が……などと言うこともすでに解決済みです!」
北川:「なにぃ!」
栞 :「この前北川さんの家に言った時です」
北川:「赤飯が出てきたのはそのせいかよ……あんのバカ両親が……」
香里:「く、どうすれば……」
相沢:「俺達はもう関係なさそうだな」
奏來:「そうだな。俺なんぞぜんぜん話しに入り込めん」
名雪:「変えるお〜」

 ずるずる(祐一が名雪を引き摺る音)

香里:「そんなの私が許さないわよ!」
栞 :「そんな事知りませ〜ん」
香里:「北川君! 栞に何かあったら……」
北川:「なにかってなんだよ!」
香里:「それは……(ごにょごにょ)」
栞 :「私はかまいませんけどね(にっこり)」
北川&香里:「な」
栞 :「じゃ、行きましょう。潤さん」
 だきっ
北川:「わ、わ、そんなに引っ張らないで。栞ちゃん」
栞 :「〜♪」
香里;「ってちょっとまちなさーい!!」


<Happy End??>

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