雨――雨が降ってる。 俺は、一人駅内にある時計の下に座っていた。近くの液晶テレビが見た事があるようなないような、記憶に薄く残るCMを流している。 あいにくベンチは駅外にも駅中にも見つからなかった。ホームレス対策だろうか。外で待とうとしたが、持っている傘が折り畳み傘だったので小さい。塗れてしまうのはイヤだった。後で普通の傘を近くのコンビニで買おう。 そんな俺に歩み寄る足音が一つ。 「……雪、積もってるよ」 「これは整髪剤が粉吹いたんだ。それに今の天候は雨な上に室内だ」 「あれ……今何時?」 「ぉい」 「わ、びっくり。まだ6時ぐらいだと思ってた」 「完全無視か。しかも6時って俺も着いてないぞ」 「そうそう、遅れたお詫び」 「いや時間通りなんだけど」 「それと、再開のお祝い」 「しかも初対面だし……ってこれ何?」 「きしめん。名古屋名物」 「…………」 「私の名前「Anagramさん」」 「「――――」」 沈黙する二人。ここから、激動の2日が始まる。 第一回SSUオフ――開幕―― ※この物語はフィクション+ノンフィクション複合型であり、どれが現実でどれが作り話か分かりません。頑張って見分けてください。なお、この物語における質問は受けてもうやむやにします。ご了承ください。 まずはこのオフを総合してこの言葉でこれを表そう。 その言葉とは―― 「月とすっぽん」 である。なぜこの言葉か。それはこのオフレポート(略してオフレポ)を見て判断してもらいたい。 他に言葉が見つかるのなら、それは貴方にとって真実という多面体における一つの側面を表しているのだ。 それを憶えていてもらいたい。 それでは始めよう――3月1日、香里の誕生日というなんとも因果な日から始まったこのSSUオフの記録を。 かのようにして出会った私こと奏來とAnagramさん(以下Anaさん)は、始めて会った喜びに話を弾ませつつ、次の人の来訪を待った。 そこに、我徒さんから電話が。どうやら名古屋駅に着いたようだ。彼は28日から名古屋にいるようで、今日は一泊してからの参加となっている。 しかし地元に不慣れな私&我徒さんと、あまり名古屋駅には行かないというAnaさんのためか。いきなり合流できない。電話をやり取りしながら集まろうとするが、どうにもかみ合わない。 そんななか、Ryo−Tさん(以下Ryoさん)から電話が。 「すいません、ちょっと遅れます」 初日から難航っぷり。先が思いやられて仕方ない。 その中、もう一度我徒さんから自分のいる場所の説明を良く聞いた。 「名古屋駅ですよね」 「はい、名古屋駅です。近鉄線の」 そっちか。どうやらJR線の名古屋駅と地下鉄の名古屋駅との違いが、合流を難航させた理由らしい。 断じて、私が我徒さんの言葉を良く聞いてなかったのが理由ではない。違うのだ。 そうやって、なんとか集合。Ryoさんが来る間に他の人と連絡を取る。 「あ、しゃもじさんですか?」 「はい、どうしました?」 「いまどこら辺ですかね……」 「え? 集合は2日では?」 Σ(゚ □゚ )〆 どうやら、オフが始まる以前から情報の不行き届きがあったらしい。最初は3月の2、3日としていたのだが余りにも中途半端な日程のため、1、2日としたのだ。それが決まった時しゃもじさんはある事情でパソコンを2月終わりまで全く触ってなかったらしい。 多分、送ったメールが数多くあるメールに埋もれてしまったか自分が送ったと勘違いしていたためだろう。反省。 仕方ないので、しゃもじさんは2日からの参加ということになった。 気を取り直して、もう一人の参加者零人さんに電話。 「あ、零人さんですか?」 「……はい」 どうにも反応が悪い。嫌な予感を抑えつつ電話を続ける。 「今どこら辺ですか?」 「……自宅」 「はい?」 「……寝てました」 Σ(゚ □゚ #)〆 Σ(゚ □゚ #) Σ(゚ □゚ #) 上から私、Anaさん、我徒さん。 「「「寝坊かよ!!」」」 この時強く思った。一寸先は闇らしい。このオフは。 すぐ向かうと言う事なので、まずは零人さんを置いて行動する事に。後に合流と言う流れに。 その後Ryoさんから到着したと連絡が入り、今度は何も無く合流できた。 しかしRyoさん曰く、 「すぐ分かりましたよ」 だそうだ。まぁ、コレだけ濃い雰囲気をかもし出す集団は少なくとも周りには見当たらない。当然といえば当然だろう。そしてそれが分かる彼も、また仲間である。 その後、Ryoさんに零人さんのことを連絡 Σ(゚ □゚ ) 以下略。 まずは最初の目的地とされた大須へ。ここは東京で言う秋葉原、大阪で言う日本橋、広島で言う紙屋町(超ローカルネタ)らしい。……広島よもっと有名になれ。政令都市なんだし。 駅について、暫くさんぽ。カレー屋「かのん」に多少の反応を残しつつも移動する。 最初はとある筋に有名なメイド喫茶「M's Melody」に行くはずだったのだが、どうにも見つからない。結局大須内を大きくうろつくも、見つからなかった。 失意する4人組。しかし、神は我らを手放さなかった。 まずはその筋の情報が集まりそうなPCソフトショップ&同人ショップがある場所へ方向を転換した。 真っ青な建造物にあらゆる原色をぶちまけた装飾がなされている挑戦的な建物に入ったその時。 Ryoは見つけた。(プロジェクトX風) 今回のオフにおける一番のラッキーであろう、巫女茶屋の存在に。 4人による迅速な判断により、速攻でその場所へと向かう。 さらにラッキーな事に、その途中いいものを見つけた。 いのまたむつみ作品展 テイルズシリーズのキャラ原案をしている人、と言えばお分かりいただけるだろうか。 この日との作品展を思いっきり堪能した。その上手さに感嘆の息を漏らした。 その後、とうとう着いた。今回もっともいい場所とされたこの店。 その名も「お茶甘味処 大須の巫女茶屋」。ストレートなネーミングがいい。 外では懐かしい駄菓子が大量に売られ、中ではそれと席に座りお茶を飲む事が出来るのだ。 しかし、私たちは一度此処を去った。その前に零人さんからの連絡が来たために一度合流してから行く事になったのである。 後ろ髪をひかれつつも、ちょうど昼時だったのでお昼を。我徒さんのお勧めでちょっと奥まった場所にある豚カツ屋に決定。 店の中で並ぶ数人の行列に、ちょっと期待しつつメニューを見る。 高っ! 最初の感想がそれだったが、ちょっと高めのメニューを頼み早速食べる。 美味い。これはなかなかイケる。名古屋の味付けは確かに濃いいのだが、何所と無くあっさりした味付けがまた箸を進ませる。 料理を堪能した後、零人さんと合流。合流の際「傘が集まってて怪しそうなのがそれ」と言うと、あっさり当てられたというエピソードが会ったり無かったり。 その後、とうとう行った。巫女喫茶へ。 一度入った店内へ再び。今度は席にちゃんと座る。 席取りに失敗した零人さん、Anaさん、我徒さん。 私? そんなミスをするほど気を緩めていません。はい。 堪能中…… ふむ。ちゃんとした接客態度。多少客を見る目が痛いのとそうでないのとが分かれているが、まぁ仕方ない。 まぁ、茶髪黒髪に拘るほど狭い心の持ち主で無いので。茶髪少なかったですが。可愛い声と接客態度は高評価。服装も真新しい。 「当店自慢の巫女がまごころ込めてお茶をたてます。」 というメニューの抹茶解説に全員が反応。全員抹茶を注文。 メニューには他に甘酒やら冷やし飴、湯飴などあれば、ぜんざいやおしるこ、みつまめと和風の物が主。 もちろん洋風にコーヒー、紅茶、コーラやオレンジジュースもある。 軽く食べ物もあるらしく稲荷寿司も。 先ほどと同じく、特に洋風のメニューがあるからと怒ったりしない。考えれば分かるし。 抹茶に関しては飲んだこと無いためノーコメント。感想を言えば、これまでの抹茶製品は意外と侮れないなと思う。 何故かいくらかの時間喋り尽くしていた。内容は原付と事故と怪我と警察から撒く手法。 ……傍迷惑だ。 いくらなんでも、ということで店を退出。 これからどうしようか…… Anaさんが計画していた通り、金山に行く事に。ここで時間をつぶしつつ飲みをする予定らしい。 まずはゲーセンによるものの、ちょっと遊んですぐ退室。やっぱりここはみんなが楽しめるものを! と言う事で、スポーツセンターらしきところへ。ぱっと見るとプール、ボーリング、カラオケ、ゲーセン、ビリヤードなど一通り遊べそうな場所。 ボーリングはみんな実力が低いと言う事が発覚したため、カラオケに。低レベルで熱い戦いと言うのもありましたが、痛いこと請け合いだし、ね。 ここで、飲みの時間が9時となってるため8時過ぎまで歌うことに。その時間は4時間。 熱唱。狂唱と表しても過言ではない。 なにせ、95%アニソン。しかも熱い曲ばっかり。残り5%の振り分けは4%がネタ、1%が普通。 このメンバーならむしろこれぐらいでないと不自然極まりないとまで言えるだろう。 とにかく熱く歌った。このときに、飲みから参加予定だった神海青人さんが不参加の表明をした為、ちょっと凹んでいたのだが、この熱い流れには抗えなかったのか歌い続けた。 4時間後には、喉をガラガラにした人間が5人。その内私、零人さん、Ryoさんの3人が一番酷かった。 疲れた体をセンター内で安め、河相誠彰さん(以下河相さん)と合流するために飲みを予約している店の近くへ。 河相さんと難なく合流。バイトが早く終わったとかで、予想より早く集合できた。 ちょっと話した後、飲み会の店へ。 店の名は「世界のやまちゃん 金山南店」。 店の中に入ると、飲み物を頼んで早速宴会。 この場も、熱かった。カラオケとは違う意味で。 最初は美味い料理に舌鼓を打っていたが、軽く酒も回ってくると集まり始める私達。 ちなみに、料理はかなり美味かったです。手羽先が最高。あの辛めの味付けは酒によく合う! そして交されるSS談義。チャットとはまた一味違う熱の篭った言葉の交わし合いがとっても良かった。 ラストオーダーになる飲み物を頼んだ後、暫くして退散。 清算をした後、金山の駅で一時解散する事に。 県外から来ているのは私、我徒さん、零人さん、Ryoさん。 我徒さんは昨日泊まったのと同じくカプセルホテルにするらしい。 残った私たちは地元民であるAnaさん宅に止めさせていただく事に。 地元民である河相さんは自宅に。 Anaさん宅に着いた後は、チャットに入って漫画読んで寝た。 次の日起きれないだろうと、河相さんに電話をしてもらう事にしてある。 一応みんな携帯の目覚ましをつけるのだが。効果があるかどうか。 酔っている上寝たのは12時超過。 これにて激動とも言えるの1日目が過ぎていった。 さて。果たしてどうなる事やら2日目。 続く <Next> Back to the top? |